ポールグレアムにはTwitterの今が4年前に見えていた
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前2つのポストに続き3部作ではないが、TwitterのIPO記念と言う事で。
前のポストでは、Twitter上場の瞬間の関係者によるTweetを取り上げたが、実は私が一番気に入ったTweetはそれらではなく、下記のポール グレアムによるポストだった。
Why Twitter is a Big Deal (2009): http://t.co/fKVwzl93vM
— Paul Graham (@paulg) November 7, 2013
これは、彼が4年前の2009年にTwitterについて書いたブログのリンクである。
これをさしずめ「どうだ、俺の予言は的中したろ?」とばかりにこの日に再びTweetしたのである。
そのグレアムのブログが珍しく短いので、天気の悪い日曜と言う事もあり、ざっと意訳してみた。
なぜTwitterが一大事なのか?
2009年4月
Om Malik氏は、これまで散々私に「なんでTwitterがそんなにおおごとなんだ?」と聞いてきた沢山の人々のなかの一人だ。
(Om Malik氏とは、なぜそんなにTwitterがアツいのか?というブログを当時書いていた)Twitterが一大事である理由は、それが新しいメッセージング プロトコルであるからに他ならない。
そしてその新しさとは、「受取人を特定しない」という点にある。新しいプロトコルというものは、レアだ。いやより厳密に言うなら、これから広まるであろう新しいプロトコルはレアだ、という事なのだが。
一般に広く使われているプロトコルというのは、実は数えるほどしか存在していない。
TCP/IP(インターネット)、SMTP(メール)、HTTP(ウェブ)などである。ゆえに、新しいプロトコルというものは一大事なのだ。
更に、Twitterが私企業によって保有されているという点。これがなおさら、レアなのである。
興味深いのは、Twitterのファウンダー達は、マネタイズにこれまでのところ消極的である点だ。
その事は、長い目で見ると彼らのアドバンテッジになるであろう。
なぜなら、彼らがTwitterを必要以上にコントロールしないからこそ、皆それをあたかも、それまでのプロトコルと同じように感じるからだ。つまり、それがあたかも公的なプロトコルであるかのように。
それこそが、これまでのTwitterの成長を容易たらしめてきたに違いない。ポール・グレアム
いかにも彼らしい独特のTwitter考であり、相変わらず真実を突いていると唸らされる。
ちなみ、下記は3年ほど前のチャートだが、世の中のTweet量の変遷だ。
グレアムのブログが書かれた2009年4月時点の左側と右側の面積を見比べるだに、その後の成長がいかに爆発的であったかが、そしてグレアムには当時からその未来が見えていた事が、わかる。
その慧眼に感服すると同時に、それをTwitterのIPOの瞬間にTweetするおちゃめなポール師匠を、私はますます愛してやまないのであった。