We’re so close ‐ あとほんの少し ‐

We’re so close  – 極めて近くまで来ている –  おとといの会見においてシンガポールの閣僚たちが何度繰り返しても足りないと言わんばかりにジェスチャーすら交えて強調して使った言葉だ。1時間強の会見を改めてしっかり見た結果、明るい希望を持てた。ファクトとロジックに基づき納得性の高い政策決定とコミュニケーションを行っているように見えた。

以下は、多少の時差こそあれど日本にも通じる内容だと思うので重要部分を抜粋し意訳した。(カッコ内は筆者補足)

 

2/3接種ライン堅持明言

あとたった数週間で人口の2/3、あるいはそれ以上がワクチン2回目接種を終える。昨日2回目接種が50%を超えた、いま毎日約8万人が接種し、うち70-75%は2回目だ。(※これを単純計算すれば2/3到達は16日後となる)

極めて近くまで来ている。にもかかわらずここでそれを台無しにしうるリスクをとるべきではない。だから外食ジム等4週間全面禁止、ただし2週間後に見直しありという苦渋の決断に至った。

リスクとは何か。いまワクチンを打っていない70歳以上が10万人、60歳以上が更に10万人ほどいる。過去の我々の統計上彼らは罹患するとほぼ確実に入院する。うち10-15%はICUに入る。20万人のうち数%がそうなったら? リスクとはその膨大な医療リソースの事だ。

 

ゼロコロナ政策から「コロナ耐性姿勢」へのシフト明言

2/3接種が完了したとき、私たちは躊躇なく「コロナ耐性姿勢 -Covid Resilient Posture -*」へと移行する。(*以下の通り巷間「ウィズコロナ」と言われるものに近いようだ)

その頃には現在の感染者数つまりデイリー百名、二百名あるいはもっと増えたとて、我々は今より安全に生活できるだろう。その時我々は各産業セクター*をリオープンする。(*主に外食とジムやレジャー等。その他は下記2つを除き既にほとんど開いている故)

 

海外渡航再開は一段上のワクチン接種を

そして更に、その段階となった暁には現在は復活の予兆すら感じられないだろう二つの産業の再開についての挑戦を開始する。

観光と航空だ。

(※ここが重要。要するにワクチン2/3達成で開けるのは国内活動。国境ボーダー再開ついても着手開始はするものの詳細言及は無し。更なる接種率アップが前提のような表現はあったものの目標接種率などの明言は無し)

 

英国型となるか?

皆さんは思うだろう。なぜ英国、アメリカ、イスラエルなどはあのように制限解除しているのか?勇敢だから?その理由はこうだ。

第一に、シンプルにワクチン接種率がシンガポールより高いから

第二に、シビアな蔓延経験により抗体獲得者がワクチン接種者以外に沢山いるから

第三に、これが最も重要だがシニアの接種率が高いからだ。90-95%という地域すらある。

これが我が国が目指す道だ。いまシニアの接種率は70%強、予約ベースでは75%、これを80-85%に上げたい。そのために繰り返しお願いしたい。彼らは大臣のいう事よりかかりつけの医師のいう事を聞く、どうかあなたたちからも説得してもらいたい。

 

ワクチン接種者区別政策は行う

なおワクチン完了者を今回の外食規制対象外としなかったのは全体の接種率がまだ十分でないなかで感染増加があると接種完了者であっても感染媒体になり得るからだ。しかし接種完了者(のみ)に対しより広範な活動を許可する「ワクチン接種有無による区別政策」は既に先ごろ一部実施済みであるし、2/3に達した後は実施する。