『Rebright x Consortium アグリテック』を開催
·
Rebright Partnersは、組合員様限定で第1回目の『Rebright x Consortium』を開催し、アジアにおける『食農業のDX』について業界をリードする現地起業家と投資家を招きました。現地起業家からどのようにアジアアグリDXに取り組んでいるのかについて、投資家から『アグリセクターの今後のトレンド』について解説いただきました。
またパネルディスカッションでは、アグリ分野においてどのように5年前のアナログから急速にデジタルへシフトしたのか、アグリセクターにおけるデータを活用したフィンテックセクターへの参入とは?について詳しくお話を伺いました。
アグリ・フード・サプライチェーンの投資ポイント
- インドでもスタートアップが担い手の農業革命・食革命が起きている。
- E2Eでサプライチェーンを構築することに取り組む。川上農家から川下消費者まで一気通貫でテクノロジーでつなぐ。
- アジア特有の狙い目市場。大なり小なり農業は負の構造が大きいので経済レバレッジが高い。
Aquaconnect:Aquaconnect – South Asia’s Largest Aqua Farmers Network
海産物の養殖業者向けソリューションやマーケットプレイスを提供するテクノロジープラットフォーム
- インドでは水産業セクターの市場が非常に巨大であるものの、未だ生産から消費者に届くまでに仲介業者が非常に多いなどサプライチェーンがUnorganizedでフラグメントな状況が続いており、テクロノジーが介入する領域は非常に大きい。
- 当社は養殖業者に対して生産効率を上げるために知見・購買プラットフォームを提供し、販売先に関しては電子入札システムを提供し、適正価格で生産物を販売するための構造を構築。
- 他にも非正規の金融機関から融資を受けていることが多く、当社は正規の金融サービスが届きにくい中小養殖業者に対して、GISを使用して、面積から収穫される生産予測・水質&養殖物の健康状態のデータをスコアリング化して、その信用情報を基に現地のState Bankや保険会社と共同して、保険や融資などの金融サービスをより効率的に提供された少なり、結果として養殖業者によってもと金融が利用され、スケールアップしやすくなる。
Eggoz :Eggoz
- インド初の全国プレミアエッグブランドを構築し、中小零細養鶏卵業者向けへの養鶏卵 IoTハード&データ分析ソフトなどのプラットフォームを提供し、かつサプライチェーン(買取販売)を End to Endで実施。
- 近代化されきっていない商業分野がアジアには山ほどあり、インドではキラナショップ(地元小売店)で消費者が手で卵を掴んで、購買するのが習慣となっていました。これはブランドなどもなかったため、非常に卵の価格変動を受けやすい販売方法でしたが、当社では日本のようにプラスチックパックで包装し、『Upper Bite』というブランドを構築して販売することで単価を2~2.5倍くらいで販売可能となり、価格変動もそこまで受けにくい構造になりました。現在は主な購買層がアッパーミドル層となっており、卵の価格も日本と同じ値段で販売しています。
アグリセクターの今後のトレンド
インドアグリ特化現地有力VC Omnivore マネージングパートナーであるMarkさんによるアグリスタートアップの投資解説
(2010年にomnivoreを設立し、現地有力アグリテックスタートアップAgnextなどに投資を行っているMark氏)
Q:COVID19によってアグリセクターの大きく変化したトレンドについて教えてください。
A:2020年は世界中で数多くのスタートアップ企業が自国並びに世界の農産業に対してソリューションを展開する年となりました。特にCOVID19の影響によりインドではこれまでの生産・流通・金融の伝統的な農業システムが崩壊し、スタートアップ主導の近代的な農業システムへの変化を遂げたと思います。下記の4つがKeyトレンドとなりました。
- B2Bプラットフォームやマーケットプレイスの登場 、実際にAccel Partnerとの共同リサーチの結果でもB2Bのバリューチェーンプレーヤーによる収益は約20%MoMべースで増加しました。
- 移民労働者の帰国:出稼ぎ労働者の出戻り。国内人口動態がロックダウンにより大きく変化し、ビジネスモデルもよりFarm to Consumerへと変化遂げました。
- 消費者の健康意識の向上:トレーサビリティの向上。F2Cブランドの増加。
- 政府による規制緩和:Eコマース企業の拡大。従来は農作物は販路が限られ、主に地域の卸売市場を売買に使わざるを得なかったが、新法で販路に制限なく自由に取引できるようになった。これによりスタートアップにとってはビジネス拡大のチャンスとなってます。
上記のトレンドについてはCOVID19の後も続き、今後スタートアップにとっては大きなチャンスになっていくと思います。
以上