英国EU離脱と宇宙とAI
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英国のEU離脱(Brexit)は、今世界全体が抱える不都合な2つの真実を浮き彫りにしたと思う。
一つに、グローバル化の逆流
二つに、中間層のドン詰り
である。
グローバル化はこの半世紀ほど人類にとっての金科玉条だった。
グローバル化は極少数上位の個人と企業を富ませるが、
中間層は、その「グローバル化のまやかし」、「いつまでも食べることができない飴と次々に降りかかるムチ」に対して、我慢の限界に達しつつある。
尤もそれらはまるでテロのようなもので、最終勝利など無い事が最初から決まっている戦いでもある。
中間層やローカル経済の反グローバル化傾向は今後更に進むだろうが、
ではその本質は何か?
格差だろう。
半世紀くらい前まで、しきりと「南北格差」という言葉が使われていた。
インドのデリーやインドネシアのジャカルタと東京との格差より、
ゆえに英国でもロンドンは残留、地方は離脱となるのである。
アフリカの貧しい人が遠い米国の豊かな人をうらやむよりも、同じ国に住む、同じ顔つきをした同じ言葉をしゃべるご近所さんを妬み嫉む気持ちのほうが百倍強いのが人情というものだろう。
この半世紀で世界がそうなってしまった。ジオグラフィカルな富の偏在の時代が終わり、デモグラフィカルなそれへと世界が変わった。
国家間の格差の時代から、米国内の、英国内の、日本人同士の格差の時代、人々の分断の時代となってしまった。
しかも、この格差はとてつもなく大きく、強い。
ゆえに一個人の努力ではそう簡単にその差は埋まらない。
だから切羽詰まって、今回の英国投票結果のような、破れかぶれの行動に出るしかなくなってしまう。
この格差問題を、
私はベンチャーキャピタルというオプティミスティックな職業に就いているものとして、その問題の解決に革新的な起業家やテクノロジーが少なくとも部分的に貢献する事があると信じている。
例えば宇宙というフロンティアが人々の希望になるかもしれない。 AIやロボットにより職が奪われると嘆く向きもあるが、それらにより飛躍的に生産性が上がった結果、人類全員が経済的不安を抱えることが無くなりつつがなく生活できる世界が来るかもしれない。
ともかくも、何らかの希望、誰もが共通に、わかりやすく抱くことができる希望、その発明が人類の急務なのだろう。