友人のDave Mclureから、フレッドウィルソンのブログが回覧されてきた。

フレッドは、ユニオンスクウェアベンチャーズというVCのパートナーであり、そのブログは米国スタートアップ界隈では有名だ。

ちなみに彼は、Twitterの主要インベスタであるが、最近出版されたTwitterの暴露本で、その強面キャピタリストとしても一躍脚光を浴びている。

そんなフレッドがビットコインについてブログポストしたのだが、簡単に言うとこういう内容だった。

ビットコインが儲かるか? ぶっちゃけ幾ら持ってるの?とか色んな人に聞かれるけど、自分はただビットコインが金融取引上のプロトコルとなりえる点に注目していて、投資家としてその分野のディールに興味がある、ただそれだけ

とあっさり語っている。

そして最後に、「詳しくはうちの別のパートナーのブログを見てくれ」とあったので、早速そのブログを見てみた。

Albert Wengerは、ユニオンスクウェアベンチャーズの5名のパートナーの一人で、del.icio.usを起業しYahooに売却するなどのトラックレコードを持っている。

このAlbertのブログは、ビットコインのなんたるやについて簡単に良くまとまっているので、以下に翻訳してみた。直訳でわかりずらい部分は一部意訳しているし、関係ない記述を一部省略している。

プロトコルとしてのビットコイン

10月31日, 2013

我々は、沢山のイノベーションに依存して日々を生きている。
毎日長時間滞在するお気に入りのウェブサイトから最新のモバイルアプリまで、そしてそれらの背後にある高度に技術的なプロトコルの存在に依存しているのだ。

レースドライバーが車のエンジンの構造を理解するほどには、インターネットのエンドユーザはその技術を理解する必要は無い。

しかしながら立法府は、「分散アクセス許可の必要のないイノベーションを可能たらしむ技術プロトコル」というものの重要性を理解すべきである。
なぜなら、それらこそが、今日の多くの個人やスタートアップによるイノベーションを生み出してきたからだ。

例えば、HTTP というプロトコルは、ブラウザがウェブサーバに話しかける事を可能とした。
サーバがそのHTTPというプロトコルを実装している限り、それはイノベーティブなコンテンツやサービスをブラウザに対して(つまりそれを見るエンドユーザに対して)届けることが出来るのだ。

HTTP自体もまた、その他たくさんのより低い次元のプロトコル、例えばDNSやTCP/IPなどの上に成り立っている。

歴史的に、プロトコルとは何らかの研究プロジェクトや個人などの小規模グループがたまたま見つけた事を発端とする場合が多い。

ビットコインについての議論において、それが今後生じうる多くのイノベーションを可能たらしむプロトコルになる可能性を理解する事が決定的に重要である。

ビットコインの本質とは、それが公共的で分散的な会計元帳であるという点である。それがビットコインの基本的なイノベーションである。

会計元帳とは、一度記帳したらそれを修正してはいけないものである。誤りを修正する唯一の方法は、誤りと逆の金額をもう一行書き加える事である。

一般に会計上の不正においてよくみられるのは、簿外取引や、過去の帳簿を書き換える事によって生じる問題である。

ビットコインの元帳は、ブロックチェインと呼ばれる。

ブロックチェインは、広く配布されている公平なBitの組み合わせであり、一度トランザクションがブロックチェインに記録されるとその後書き換える事は出来ないという事が確実なものとされている。

ビットコインを用いる事で、誰しもがグローバルに、目に見える書き換え不能な会計帳簿に基づいた会計トランザクションを行うこと事が出来る

今日、この世の中においてそれを具現化しうる手法はビットコイン以外に存在しない。

なぜそれが大ごとなのか?

その理由は、トランザクションがビットコインの会計元帳に記録される際に、スクリプト言語という高い表現力をもった形式で書き込まれるからである

このことは、ビットコイン上で預金やエスクローや株式の分散取引など、特定のタイプの契約を可能たらしめる。

例えば「色つきのコイン」とでも呼ぶべき契約が可能となる。それは過去のトランザクション一連が添付されたビットコインだ。

例えばそのトランザクションデータが、会社の持株シェアの過去記録であってもよい。
スクリプト言語であるがゆえに、デリバティブ契約付きの株式を自動的に生成するなど実にインテリジェントな事が可能となる。

これらは、ビットコインがプロトコルとして可能たらしめる金融サービスのイノベーションの、ほんの一例である

またこれ以外にも、ビットコインのプロトコルは、色々な問題の解決の為に活用できる可能性がある。

政府当局によるビットコイン対する規制の検討においては、組織犯罪から消費者を守る事と、ここに論じたビットコインの根本的なイノベーション イネイブラーとしての可能性との、バランスを取る事が重要だ。