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アメリカ西海岸の定点観測を終えシンガポールへの帰途、トランジットの羽田のラウンジで備忘録代わりにまとめてみる。

 

第一に感じたことは米国の二極化の進展

サンフランシスコの都心にはとにかく麻薬中毒者、アルコール中毒患者が溢れている。もちろんそういう地域とそうでない地域が分かれてはいるが、とはいえ顔や動作を見るとすぐに廃人と分かる人間が高級ホテルやオフィスビルやお役所のすぐ傍のメイン通りにゾンビのようにわらわらとたむろしているというのは、アジアには無い光景である。

シンガポールにも中国にもどこにもない。アヘン戦争下でもあるまいし、現代においてこれを異常と思わない、常態化した社会というのは、方や色々問題はあるにせよそんなものとは無縁な先進諸国が沢山ある以上、いくら理由をつけようとも何かがおかしい。しかし何事も常に長所と短所が共存するのが人間社会であるとするならば、米国西海岸の自由と創造性とは、別の犠牲を伴っているのであって、それが例えば街にあふれる彼ら廃人たちなのかもしれない。ともかくも分断の程度は前回来たよりも深刻化しているように見えた。

 

第二に、大いなる田舎性

都会とはそもそも田舎者の集まる場所の事を言う。東京もロンドンもシンガポールもNYも深圳もそうだ。ゆえに田舎性は当たり前である。但し、米国ベイエリアの独特な田舎性というものは、要するに外への興味関心が極端に低い点にある。今回話した現地の人たちとの会話からひしひしとそれを感じ取った。そのような傾向とは先鋭化する性質がある。エコーチェンバーという言葉があるが、属している集団の思考の傾向が増幅(エコー)して強化されていき、そうではない言論が排除されていく現象の事を言う。昨今よく目にするシリコンバレーから発せられるToo muchポリティカルコレクトなニュースの原因の検算をしたような思いを抱いた。

 

第三に、Made by Asian

アジアシフトは私も言うのが飽きたくらい何年も前から言っているし、最近ではメディアでも書かれることが流石に増えたが、実際にファクトで言えば、シリコンバレーの人口が去年とうとうアジア人がコーカソイドを抜いたそうだ。(現地の信頼筋から聞いたが、統計はあとで探してみようと思う)H1ビザの引き締めだ、メキシコの壁だと等と言っても、これは不可逆的に進んでいる。米国の移民創業者によるユニコーン企業うち最も多いのはインド人だ。クパチーノには中国人があふれている。我々アジア人が皆「どうしたらシリコンバレーに追いつけるか」とか言っているうちに、そのシリコンバレー自身がMade by Asianにどんどんなっているというわけだ。

 

第四に、とはいえイノベーション

無邪気なイノベータの存在と、それを許容するのではなくむしろ追い求める人々が揃っている土地としてはやはり世界トップだろう。

例えばGetaroundという一般人が自分の車を使っていない間に貸し出すサービスを使ってみた。そこで貸し出されるのはテスラもあればポルシェもある。そのようなサービスを新規に発明し、それが一気に立ち上がる都市というのは世界ではあまりない。考え付くのはある。しかし立ち上がるかどうかはイノベーションを許容するのみならず、追い求める人たちが多数いる都市でないと成り立たない。とりあえず使ってみようと思う姿勢、これが意外と希少資産なのである。Uberは知っているが出張で米国に行ってもつい億劫で、あるいはそもそも関心が低くていまだにタクシーしか使った事のない人が多数な国とは、対極的である。