Alibaba 2016

世界最大の小売業、アリババ。その2016年3月期決算を、ごく簡単にひも解いた。以下、NY証券取引所への適時開示資料などから抜粋したデータである。   まずウォルマートを抜いたと話題の流通総額 485ビリオン米ドル(51兆円)の内訳であるが、これは純粋に中国国内の、コンシューマ向けECである。すなわちC2Cマーケットプレイス(※)のタオバオと、B2CマーケットプレイスのTモールのみの数字である。 

E-Retail Ratio by counties

    あまり知られていないかもしれないが、既にEコマース市場規模(B2C)は数年前から中国のほうが米国よりもはるかに大きい。圧倒的世界一位である。   なぜか? それはEC化率、すなわち全小売に対するオンラインでの購買の比率が高いからである。中国のEC化率は既に12%を超えて、米国に2倍の差をつけている。 ゆえに、全小売流通規模ではまだ米国のほうが大きいにも関わらず、Eコマースでは圧倒的世界一となっている。

VR・ARで勝つのはだれか?

Embed from Getty Images ビルゲイツが高校で初めてコンピュータに出会い最初に熱中したのはゲーム開発だった。 というより、ゲイツに限らずコンピュータ黎明期のハッカーたちは皆こぞってゲーム開発で腕を競った。 ジョブズがアップルを創業する前に勤めた会社もアタリというゲームスタジオで、ゲームデザインを担当した。 その後モバイルという新しいプラットフォームが出来てスマホシフト革命が起きたが、そこでも最初に栄えた産業はゲームだった。

次に「来る」のはタイムマシーンである

私は常々「人間が想像できるものでありさえすれば、何でも実現する」と思っている。 逆に、それまでは想像だにしていなかった事が突然起こった、という事は技術や産業の歴史上おそらく無いのではなかろうか。   古今東西 「次に来る分野はこれだ」 という未来予測に人は熱狂するものだが、問題はその時間軸である。 来年なのか、5年後なのか、10年たっても不確実なのか。 極端な話、タイムマシーンだって「来る」のである。人類が滅び無い限りいつかは、という条件付きでさえあれば。

[今日の一枚]世界インターネットサービスTop20社

  世界のインターネットサービス企業の時価総額ランキング。 上位20社のうち9社、ほぼ半分がアジア勢となっている。 中国勢は$100B台が2社おりTop5に肉薄している。というか、AppleとMicrosoftはハードウェア、ソフトウェアが主であるので除外して考えるとすでにトップ5入りしている。 インド勢はここにはいないがFlipkartの未上場評価額は15Bであり17位のNaverと同じ、楽天よりも大きい。

World Startup Funding

世界のスタートアップ資金調達金額に占めるアジアの割合が1/3を超えた。 たったの2年前は10%強だった。 今年は間違いなく全体的に減るだろうが、割合としてのトレンドはもう少し続くのではないか。 それを牽引しているのは、中国の27%と、インドの6%の2か国だ。 日本は1%に満たない。

[今日の一枚] 国内のバズワードの変遷

ビッグデータ :2-3年前のチャンピオン。その後も安定して登場 ビットコイン :去年8月の突起は各社一斉に報じた見事な釣り報道「ビットコイン社長逮捕」 シェアリング・エコノミー: ほぼ圏外。ちなみに「民泊」は去年暮れから高ランク フィンテック: 去年の終わりから猛烈に流行。 IoT: 去年の圧倒的チャンピオンはIoT。今も引き続き一位 なおクラウド、ロボット、AI、VR、ARなどは一般名詞だったりノイズが多すぎて計測不能。

ビットコインの死

Bitcoin、Blockchain関連のスタートアップへベンチャーキャピタルとしていくつか投資を行っている身で述べるのもなんだが、Bitcoinはしょせん実験である。実験は成功する事もあれば失敗する事もある。   さて今この瞬間、米国テック業界ではその実験は失敗だ、「ビットコインは死んだ」という論に注目が集まっている。   昨日、ビットコイン関連の有名なコア技術者、マイク・ハーンが「

[今日の一枚] 世界のスタートアップ資金調達金額

  これは、各国のスタートアップ資金調達金額の推移である。 見ての通り改めて2014年は世界同時スタートアップ大ブームが生じた歴史的な年だった。 1. 中国、インドは前年の3倍以上も増えた。いずれもダントツの史上最高値であった。 2. 米国は前年の1.7倍。これを過去上回ったのは一回だけ、00年のドットコムバブルの年のみ。 3. 日本も前年の1.6倍と大幅増。ただし主要国で唯一いびつ、約8年おきに収縮を繰り返している。

[今日の一枚] 7.5%という数字

  今ここに1という数字があるとして、上記はそれが毎年7.5%ずつ10年間増え続けた場合(オレンジ)と、毎年1%だけ増え続けた場合(青)の推移を表したスライドである。   つまり、7.5%という数字は複利計算で10年後にちょうど2倍になる数字であり、1%は10年たっても1割だけしか増えないという、それぞれ数字である。 世の中にはその数字にあてはまる事柄がいくつかあるのだろうが、私の知っているものが一つだけある。それはインドの経済成長率と、日本のそれである。

[今日の一枚] インドは10年前の中国

  これは、インドと中国の25年前から現在までの名目GDPを並べたうえで、インドの時間軸を左横に10年分移動したグラフだ。 つまり、現在のインドのGDPはその金額および伸び率において10年前の中国とほぼ一緒である、という事実を示したスライドである。     ちなみに中国はこの5年後の2010年に日本を抜いて世界第2位となった。 そこからまだ5年しか経っていない。たったの5年前まで、日本は中国より大きかったのである。

リブライト・パートナーズが24億円規模の2号ファンドを組成、インドのモバイル・スタートアップ投資を強化

日本のインターネット企業を LP に持ち、東南アジアのスタートアップを中心に投資を展開してきたリブライト・パートナーズは今日、新ファンドとなる2号ファンド(正式名称:Rebright PartnersII投資事業組合)を設立し、主としてインドのモバイル・ファースト、モバイル・オンリーのスタートアップ向けの投資を強化していくと発表した。 … Full Article

日系VCのリブライト・パートナーズ、インドの物流スタートアップに出資

シンガポール本拠の日系ベンチャー・キャピタル(VC)、リブライト・パートナーズは、インドの物流テクノロジーのスタートアップ、Letstransport.inの資金調達に参加したと発表した。Letstransport.inは今回のラウンドにより、リブライト・パートナーズや複数のシリアル・アントレプレナーから合計130万ドル(約1億5,600万円)を調達した。。

リブライト、インドのITに投資 ファンドを組成 [日本経済新聞]

ベンチャーキャピタル(VC)のリブライトパートナーズは27日、インドのスマートフォン(スマホ)関連のベンチャー企業に出資するファンドを組成する。投資資金規模は約24億円。インドのスマホ市場の成長を見据え、出資先と出資者である日本の企業を結びつけてインド進出を促す。 … Full Article