NVIDIA エヌビディアとは?

いま「AI銘柄」を挙げよ、と言われて真っ先に名前を挙げるべき一社はこの、NVIDIA エヌビディアだろう。   しかしエヌビディアとはその実、画像処理のためのチップを設計開発している会社であり、主たるエンドユーザはゲーマーである。AI、AIと言われるが少なくとも今現在の収益的にはその大半はゲーム用途のPC・専用機向け集積回路セット(GPU)を作っている会社である。ちなみに任天堂SwitchはNvidiaとの共同開発であり、GPU提供のみならずソフトウェアレベルの設計等にも参画している。

2017 年頭所感

新年あけましておめでとうございます。 本年も皆様のおかげ様をもちまして迎えることができました。 毎年、元旦の日経新聞一面見出しに注目しておられる方も多い事と思いますが、今年のそれは、 「当たり前」 もうない 逆境を成長の起点に でした。 また、NewsPicksが今年の元旦に満を持して提示したのは 「日本3.0」、2020年頃日本でガラガラポン革命が起きる です。 これらいずれにも共通して考えさせられた点が、時間軸です。常々意識しておりますが、殊に2017年はこの「時間軸」をキーワードとして意識していきたいと思います。

世界で最も大きな会社、Appleの中身

今日、我々の世界で、金融やエネルギーも含めた全産業で最も企業価値が大きな会社はAppleである。 その最新プロダクトiPhone7が本日発表された。その話題で持ち切りの今朝、改めてその中身を簡単に紐解いた。 まずは直近の決算、2016年3Qの内訳は以下の通り。   iPhoneが売上の半分強をを占める。 さて上記内訳の「Services」は インターネットサービス、AppleCare、Apple

米国テック一強時代は終わり、米中二強時代が始まった

70年ほど前に半導体産業が米国西海岸で萌芽して以来、新たな技術や産業の創出を世界が米国に一貫して「アウトソース」してきた。しかしその「米国IT一強時代」がいま、終わった。 IT産業における次代を担うスタートアップの資金調達額において、ついに中国が米国と並んだのである。 のみならず、 未上場企業の時価総額世界分布 上場インターネット大手企業規模 R&D投資額 等の重要データにおいても中国が米国に肉薄している。以下に順番に見ていこう。

さようならAI、こんにちはAAI

平成という元号が変わるかもしれないというニュースが国中を駆け巡る今日、テクノロジーの世界における元号もそろそろ変わってきそうだ。   私が社会人デビューした94年は、世の中にインターネットなるものが華々しくデビューしたまさにその年だった。インターネットブラウザ、ネットスケープの誕生だ。 このインターネット前と後で世の中は一変した。これを伊藤穣一はBI/AI、Before

英国EU離脱と宇宙とAI

Embed from Getty Images   英国のEU離脱(Brexit)は、今世界全体が抱える不都合な2つの真実を浮き彫りにしたと思う。 一つに、グローバル化の逆流 二つに、中間層のドン詰り である。 グローバル化はこの半世紀ほど人類にとっての金科玉条だった。それが人々の成長や幸福を約束すると誰もが信じていた。しかし実のところ、それによる恩恵には大多数の人々は与らない、それどころかより迷惑や不利益を被るという、不都合な真実が判明しつつある。

GDP growth in 20y

  これは各国のGDPが過去20年間でどのような増減をたどってきたかのグラフである。 それぞれのGDPを1994年を起点(イチ)として、そこからどのように推移し、そして20年後の現在(2014年)その何倍になったかを表している。(絶対値の各国比較ではない点に注意) これが示す事実はシンプルに言って以下の3点である。   第一に、90年代から2010年代の3ディケイド(10年一単位)は、中国のディケイドだった。18倍と驚異的な成長である。世界経済全体もまたその成長を取り込む事で成長し、そして今その成長鈍化とともに踊り場に差し掛かっている。

Alibaba 2016

世界最大の小売業、アリババ。その2016年3月期決算を、ごく簡単にひも解いた。以下、NY証券取引所への適時開示資料などから抜粋したデータである。   まずウォルマートを抜いたと話題の流通総額 485ビリオン米ドル(51兆円)の内訳であるが、これは純粋に中国国内の、コンシューマ向けECである。すなわちC2Cマーケットプレイス(※)のタオバオと、B2CマーケットプレイスのTモールのみの数字である。 

E-Retail Ratio by counties

    あまり知られていないかもしれないが、既にEコマース市場規模(B2C)は数年前から中国のほうが米国よりもはるかに大きい。圧倒的世界一位である。   なぜか? それはEC化率、すなわち全小売に対するオンラインでの購買の比率が高いからである。中国のEC化率は既に12%を超えて、米国に2倍の差をつけている。 ゆえに、全小売流通規模ではまだ米国のほうが大きいにも関わらず、Eコマースでは圧倒的世界一となっている。

VR・ARで勝つのはだれか?

Embed from Getty Images ビルゲイツが高校で初めてコンピュータに出会い最初に熱中したのはゲーム開発だった。 というより、ゲイツに限らずコンピュータ黎明期のハッカーたちは皆こぞってゲーム開発で腕を競った。 ジョブズがアップルを創業する前に勤めた会社もアタリというゲームスタジオで、ゲームデザインを担当した。 その後モバイルという新しいプラットフォームが出来てスマホシフト革命が起きたが、そこでも最初に栄えた産業はゲームだった。

次に「来る」のはタイムマシーンである

私は常々「人間が想像できるものでありさえすれば、何でも実現する」と思っている。 逆に、それまでは想像だにしていなかった事が突然起こった、という事は技術や産業の歴史上おそらく無いのではなかろうか。   古今東西 「次に来る分野はこれだ」 という未来予測に人は熱狂するものだが、問題はその時間軸である。 来年なのか、5年後なのか、10年たっても不確実なのか。 極端な話、タイムマシーンだって「来る」のである。人類が滅び無い限りいつかは、という条件付きでさえあれば。

[今日の一枚]世界インターネットサービスTop20社

  世界のインターネットサービス企業の時価総額ランキング。 上位20社のうち9社、ほぼ半分がアジア勢となっている。 中国勢は$100B台が2社おりTop5に肉薄している。というか、AppleとMicrosoftはハードウェア、ソフトウェアが主であるので除外して考えるとすでにトップ5入りしている。 インド勢はここにはいないがFlipkartの未上場評価額は15Bであり17位のNaverと同じ、楽天よりも大きい。

World Startup Funding

世界のスタートアップ資金調達金額に占めるアジアの割合が1/3を超えた。 たったの2年前は10%強だった。 今年は間違いなく全体的に減るだろうが、割合としてのトレンドはもう少し続くのではないか。 それを牽引しているのは、中国の27%と、インドの6%の2か国だ。 日本は1%に満たない。

[今日の一枚] 国内のバズワードの変遷

ビッグデータ :2-3年前のチャンピオン。その後も安定して登場 ビットコイン :去年8月の突起は各社一斉に報じた見事な釣り報道「ビットコイン社長逮捕」 シェアリング・エコノミー: ほぼ圏外。ちなみに「民泊」は去年暮れから高ランク フィンテック: 去年の終わりから猛烈に流行。 IoT: 去年の圧倒的チャンピオンはIoT。今も引き続き一位 なおクラウド、ロボット、AI、VR、ARなどは一般名詞だったりノイズが多すぎて計測不能。

ビットコインの死

Bitcoin、Blockchain関連のスタートアップへベンチャーキャピタルとしていくつか投資を行っている身で述べるのもなんだが、Bitcoinはしょせん実験である。実験は成功する事もあれば失敗する事もある。   さて今この瞬間、米国テック業界ではその実験は失敗だ、「ビットコインは死んだ」という論に注目が集まっている。   昨日、ビットコイン関連の有名なコア技術者、マイク・ハーンが「

[今日の一枚] 世界のスタートアップ資金調達金額

  これは、各国のスタートアップ資金調達金額の推移である。 見ての通り改めて2014年は世界同時スタートアップ大ブームが生じた歴史的な年だった。 1. 中国、インドは前年の3倍以上も増えた。いずれもダントツの史上最高値であった。 2. 米国は前年の1.7倍。これを過去上回ったのは一回だけ、00年のドットコムバブルの年のみ。 3. 日本も前年の1.6倍と大幅増。ただし主要国で唯一いびつ、約8年おきに収縮を繰り返している。

[今日の一枚] 7.5%という数字

  今ここに1という数字があるとして、上記はそれが毎年7.5%ずつ10年間増え続けた場合(オレンジ)と、毎年1%だけ増え続けた場合(青)の推移を表したスライドである。   つまり、7.5%という数字は複利計算で10年後にちょうど2倍になる数字であり、1%は10年たっても1割だけしか増えないという、それぞれ数字である。 世の中にはその数字にあてはまる事柄がいくつかあるのだろうが、私の知っているものが一つだけある。それはインドの経済成長率と、日本のそれである。

[今日の一枚] インドは10年前の中国

  これは、インドと中国の25年前から現在までの名目GDPを並べたうえで、インドの時間軸を左横に10年分移動したグラフだ。 つまり、現在のインドのGDPはその金額および伸び率において10年前の中国とほぼ一緒である、という事実を示したスライドである。     ちなみに中国はこの5年後の2010年に日本を抜いて世界第2位となった。 そこからまだ5年しか経っていない。たったの5年前まで、日本は中国より大きかったのである。