2013年 年頭所感

新年あけましておめでとうございます。 皆様のおかげをもちまして、今年も無事に新年を迎える事が出来ました。 ——— 昨年は、数えてみたら55回のフライトと、115泊のホテル暮らしで、東南アジア各国と米国を飛び回った。 年初の目標として情報発信量を上げる事に意識を高く持って、インドネシア、シンガポール、ベトナム、米国においてスタートアップイベントなどで、パネルディスカッションやメンタリングセッションに何度も登壇した。

パナソニック・ショックにみる「恐怖」のマーケティング

人間は生来、恐怖に対する興味や関心が高い。 危険を察知してそれを回避しなければ生存にかかわるという動物的本能からして、当然といえばそうなのかもしれない。 そして古今東西、マスメディアはその人間の本能を巧みに使って商売をしてきた。 マスメディアは民間企業(そして多くは上場企業)であり、その根本的なビジネスモデルは「なるべく視聴数(視聴率)を上げる。そうすれば広告収入をより多く得えられる」というものであるからして、視聴数を上げるうえで最も有効な手段の一つである「恐怖」を使わない手は無い、という事なのだろう。

大アービトラージ時代の終焉

世の中は、アービトラージ(裁定取引)であふれている。 人類の歴史は、アービトラージの歴史であった、といっても過言では無いかもしれない。 本来アービトラージとは金融の世界における裁定取引(さや抜き)のこと、ある財が東京で80、シンガポールで90で取引されているなら、東京で買ってシンガポールで売る。現在100で取引されていて、先物に90の値段が付いているなら、先物を買って現物を売る。

インド・スマートフォン・ファンド 設立のお知らせ

インドのスマートフォン関連投資を行う 「Rebright Partners II 投資事業組合」 設立のお知らせ 2015年4月27日 リブライト パートナーズ プライベイト リミテッド リブライトパートナーズ (シンガポール 代表者:蛯原健)は、インドのスマートフォン関連スタートアップに投資を行うベンチャーキャピタルファンドを設立し、このたび本格的にインドにおける投資を開始致しました。

アジア・テック大共栄圏が始まった

今世紀における人類最大の産業は情報通信産業であり、最大の経済地域はアジアである。 そのアジアのテック経済にいま世界中のマネーが結集しており、そしてそのマネードリブンでもってアジアはいま、ひとつの巨大な経済圏を形成しつつある。 その「アジア・テック大共栄圏」で実際にいま何が起きているのだろうか? アジア・テック経済のモメンタムは今、明確に変わった。 アジアのテック産業の潮目は2010年頃から大きく変わったと筆者はみている。

アリババがインドネシアに本格参入か?

本日、日経新聞が、中国アリババがアリエクスプレス事業をインドネシアで本格的に開始する事について、以下のように報じた。 アリババ、インドネシアでネット通販事業 2015/2/11 18:42 日経新聞 一方で、米国 TechCrunchは、以下の通り報じている。 Alibaba’s AliExpress Sets Its Sights On Indonesia’s Promising E-Commerce

バブル崩壊、その時どうするか?

今朝、米国で起きたとある出来事を報じるニュースに目がとまった。 Dropboxと並ぶストレージサービスの雄、Box社がつい先日申請したばかりのIPOを延期したとのことだった。 理由は足元の米テック関連株価の軟調傾向だという。 確かにこの記事にもある通り、直近ピークからGoogle株は12%、Amazon 17%、Facebook 21%、Nasdaq全体で9%と大きく下げている。

ハイプ・サイクル理論

このところたまさか、同じ話題とおぼしきものを複数、目にする機会があった。 批判と楽観と誤解 -サイバーエージェント藤田晋社長のブログ- 「われわれはいつも、この先2年間に起きるだろう変化を過大評価しすぎる。そして、この先10年間に起きる変化を過小評価しすぎる。」 -ビルゲイツ- 上記はいずれも、ハイプサイクル理論と同じような状況分析に基づいているのだと思われる。 それは、「新しい技術が世に注目を浴びてから、社会に浸透するまでには、バブル的な過度な期待と、その後の失望を経てから、消えてなくなるものもあれば着実な評価を得て社会に広く適用されていくものだ」、というコンセプトであり、ガートナーという世界最大のIT系シンクタンクが生みだし、広く知られている。

スタートアップ経営者に求められる資質とは?

ベンチャーキャピタルという仕事は、膨大な数の起業家に会って、話をする職業だ。 なかでも投資をした会社の経営者に関しては、創業期から上場して大成功したり、逆に失敗に終わるまでの間を定点観測的に見届けることで経営者としての成長を(あるいは成長しない事を)間近に見届ける職業である。 また一方で起業家は、あるいはこれから起業しようか悩んでいる人は、誰もが一度ならずこの質問を自らに問うた事があるはずだ。

未来をつくる、ということ

  「未来を予測する最善の方法は、それを発明することだ」 - アラン・ケイ 「未来は知りえない、しかし自ら創る事はできる。成功した人・企業はすべからく、自らの未来を自らの手で創ってきた」 - ピーター・ドラッカー   「あしたはどんな日が待っているのかなあ」というのは、せいぜい小学校くらいで卒業し、誰もが多かれ少なかれ「明日はこうして過ごそう」という何らかの見通しや目標をもって日々を過ごしている。

Bitcoin-ビットコイン-とは何か?

友人のDave Mclureから、フレッドウィルソンのブログが回覧されてきた。 フレッドは、ユニオンスクウェアベンチャーズというVCのパートナーであり、そのブログは米国スタートアップ界隈では有名だ。 ちなみに彼は、Twitterの主要インベスタであるが、最近出版されたTwitterの暴露本で、その強面キャピタリストとしても一躍脚光を浴びている。 そんなフレッドがビットコインについてブログポストした

ポールグレアムにはTwitterの今が4年前に見えていた

前2つのポストに続き3部作ではないが、TwitterのIPO記念と言う事で。 前のポストでは、Twitter上場の瞬間の関係者によるTweetを取り上げたが、実は私が一番気に入ったTweetはそれらではなく、下記のポール グレアムによるポストだった。 Why Twitter is a Big Deal (2009): http://t.co/fKVwzl93vM — Paul Graham

Twitter上場の鐘を鳴らしたのは誰か?

日本時間の昨晩、米国では木曜、Twitterが上場し、初値が付いた。 その記念すべきモーメントに、関係者はそのTwitterというプラットフォームにおいて、どんな事をツイートしたか? まずはTwitter自身の公式アカウントのツイートはこうだった。 #Ring! Twitter (@twitter) November 7, 2013 さしずめ 「取引所の鐘をならした(上場した)ぜ!」 

1兆円企業を2社作る男、ジャック・ドーシーがその秘訣を語る

Twitterは、1.8兆円の時価総額を付けてIPOする事が決まっている。 Squareは、来年(といってもあと1か月ちょっとで今年は終わるが)のIPOに向けて、リーグテーブルの常連、ゴールドマンサクスやモルガンスタンレーなどの主幹事証券会社候補と協議に入ったと報じられている。 既に粗利で100億円、決済総額で2兆円を有するとの事であるから、おそらく実現すれば1兆円規模のIPOになると見るのが妥当だろう。

上場すると何が起きるのか

いつも愛読している広瀬さんのMarket Hackに興味深い投稿があった。 TwitterもFacebookを見習ってクソな自己流をIPOプロセスに持ち込んでいる 私のその興味に拍車をかけたのが、ご存じスタートアップ界のご意見番(w)、国光さんのこの投稿に対する意見表明だ。 個人的には、両者のご意見両方ともに、痛いほど良くわかる。 私自身、VC投資業のキャリアと同時に起業家としてのキャリアも同じくらいあり、

中進国の罠(わな)

最近は海外で過ごす事が多い事もあり、日本のテレビはリアルタイムで全く見なくなった。 定期録画予約している報道系の番組をたまに眺める程度なのだが、そのなかでBS朝日で榊原英資氏と竹中平蔵氏が出演した「激論クロスフィア」が面白かった。 まさに「我が意を得たり」、日頃から活動していて感じている事を論じていた。 その中でも「中進国の罠」という議論が良かったので、自分でも少し掘り下げてみた。

東南アジアにインターネットブームが来る3つの理由

東南アジア経済の隆盛はもはや広く知られてところではあるが、 「東南アジアにインターネットブームがやってくる」というと、ピンとこない方も多いのではないか。 以下では、この地域のインターネット産業が近い将来勃興すると筆者が考えるにいたる、3つのポイントを論じたい。 1 ASEANブーム まず第一に、マクロ的、地政学的な要因についてである。 インターネット産業の勃興には、やはり経済全体が発展することが基本要件であり、それによりはじめて通信インフラが高度化したり、人々の可処分所得が増加してEコマースやスマートフォンにおカネを費やすようになる。

インドネシア経済は今、日本の高度成長期

東南アジアが熱い。 最近になり中国の地政学的リスクが高まっている事もあり、東南アジアの熱狂ぶりには益々拍車がかかっている。 なかでも人口や経済規模で他より頭一つ飛び抜けているインドネシアに、俄然注目が集まっている。 実際にインドネシアがどのくらい「熱い」のか? それを定量的に捉えるために、98年のアジア通貨危機後から昨年2011までの14年間のインドネシアの名目GDPの推移と、最も近似している日本の時期がいつであったかを探ってみた。

フィルターバブル

先日、Twitterでこんなやりとりをした。 まさにパリサーの言うフィルターバブル。 “@TakeshiEbihara: ソーシャルメディアの素晴らしい事の一つは、タイムラインをチェックさえしていれば、自分が抑えるべき情報を取りもらす事が少ない事、一方でテレビと同じで、そればかり追い掛けていると、主体性や創造性が鈍化して月並 — lawyerfuru (@lawyerfuru)

アジア諸国の若者の実態

先日、「グローバルで通用する若者100万人プロジェクト」というイベントでお話をさせていただいた。そこでお話した内容を以下にまとめた。 「海外に出よう」、「グローバル市場で戦おう」…昨今ではカラスが鳴かない日があっても、それを聞かない日は無いというくらいであるが、実際に学生や若者がその問題にどのように取り組みうるのか、というテーマで話をさせてもらった。